東芝のDynabook Qosmio F50/86G、電源が入りません。ウンともスンとものダンマリ状態。
直せない場合は最悪データの取り出しのご依頼です。このような場合、「直せる・直せない」は半々の確率と言ったところでしょうか…(マザーボードを交換を除く)。
ACアダプターを差し込んでも、電源が入らず、充電ランプも点きません(ちなみに、近くの電気屋さんでACアダプターを検査してもらったところ、正常だったそうです)。
修理とは関係ありませんが、このF50シリーズの筐体を囲っているシルバーの部分、どの個体も塗装の劣化が酷いですよね。
解体していきます。
ガンガン解体していきます。
マザーボードを取り外しました。
裏面。
DCジャックから繋がるコネクタ部分。ACアダプターを差して、電圧を計ってみると、全く電圧が来ていません。このコネクタを外した状態では、正常な電圧が来ているので、基板のどこかがショートしていて、ACアダプターの保護回路機能が働き、電圧を強制的にカットしていると想像できます。
基板上のチップコンデンサからは、多数の不良反応。まずは目視でじっくりと眺めていきます。
すると…怪しいやつを見つけました。赤丸のチップコンデンサ、右下がほんの少し欠けています。内部破裂した可能性がありますので、まずはこいつから取り外してみましょう。
取り外したコンデンサはショート、1発ビンゴでした。半田ゴテを使い、新品のコンデンサに交換します。
再度、基板上の電圧を計ってみると、カットされていた電圧が復活しています。
仮組みで、
電源が入り、ファンが回り出しました。
修理を断念して組み上げるのと、修理が成功して組み上げるのでは、テンションが全く異なります。今回はかなり高いです(笑
組み上げが完了し、しばらくストレステストを行います。
電源が落ちるような気配は無く、勝利を確信しましたので、修理完了とします。
文頭にも書きましたが、故障箇所の特定が100%出来るわけではありません。むしろ、わからない場合の方が多いかもしれません。今回は幸運な蘇生事例となりました。