電源が入らなくなってしまった、SHARPのMEBIUS PC-CS50Lです。
DCジャック内のピンが取れてしまって通電が出来なくなっています。以前、DCジャックの交換で修理をしたことがある機種ですが、今回は違いがあります。「折れたピンが残っている」再利用出来るでしょうか…
折れたピンです。ご依頼主様が必死になって探してくれました。
非常にやっかいな分解作業を終えてDC部分を露出させます。
取り出したジャックを開けてみます。
折れたピンとの切断面を合わせると、矢印の部分で切れているようです。接点は1~2mm程度、修復は不可能ですし、これじゃ折れても仕方ない、と思わせるひ弱さです。
と、ココでひらめきました。ピンの中は空洞です。端子の先っぽを突っ込んで…
ピンの端を潰してしまいます。
このままジャック内に収めようとしましたが、そもそも縦に入れるものを横にいれているので、入るわけありません。
ジャックのプラスチックを削ったり、穴を広げたりして強引に突っ込みました。
ピンがしっかりと貫通していることが確認できましたので、潰した部分に半田を流し込みます。
この後、絶縁処理とワックスで隙間を埋めて固定してフタを閉めます。
ピンはピッタリど真ん中ッ。しっかり固定されていてピクリとも動きません。ノーマルより耐久性が良いかも。
電圧も問題ありません。
仮組みで通電を確認しましたので組み立てます。
それから、忘れていたもう一箇所の不具合。液晶パネルのロックレバーが取れてしまいます。
ボンドでもくっつかず。良く点検すると、真ん中のツメがなくなっています。なるほど、本来上下を押さえつけるんですね。
かなり面倒でしたが、液晶パネル自体を外して、内側からグルーで固めました。ペンチで引っ張らない限りもう取れないでしょう。
正常通電を確認して修理完了です。
ありがとうございました。