SONY VAIO VGN-FZ52B、電源ボタンを押しても、何の反応もありません。
過去にSONYにて、短期間に2度のマザーボード交換をしているとのことです。当方では、グラフィックチップ不良の修理ご依頼定番機種ですが、過去の故障は何が原因だったのか、お客様もハッキリしたことは把握されていないようでした。
ばらしていきます。まずはすぐに検査出来る電源スイッチ。押下時の導通は正常。
マザーボードの表側を露出させます。
バックアップ電池の電圧は正常、CMOSクリアも変化なし。
基板側には19.5Vの正常な電圧が来ています。
グラフィックチップの加熱診断も変化なく、チップコンデンサのいたるところから導通反応。
片面露出のまま基板を眺めていると…ちょっと気になるコンデンサを発見しました。よーく見ないとわからないと思いますが、表面に傷のようなものが。ひじょうに気になります。このコンデンサを交換してみたいのをじっとこらえ、
基板を取り出し、裏面も目視検査。特に燃えているなどの痕跡はありません。
やはり、このコンデンサが気になってしょうがない…。汚れかと思い、磨いてみても傷は残っています。なんとなく内部から破損しているような印象。
当てずっぽうに交換することはしたくないので、やはりコイツから外してみます。外したコンデンサ、基板側、共に不良反応が出ています。また、その他の部分の導通反応はピタリと止みました。やったね、一発で不良コンデンサを引き当てたかも。
新品を実装します。
仮組みで…きましたね。ビンゴでした。
近隣のコンデンサも念のためいくつか交換し、ストレステストが完了。
全く電源が入らない場合、こんなに早く原因が特定できることは希です。メモリーを4GBへ増設して、今回の修理は完了となりました。ありがとうございました。