LaVie LL370/RG 画面出力なし LCDケーブルコネクタ載せ替え半田修理

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

NECのLaVie PC-LL370RG。実は以前、本体が温まらないと起動しないという症状で診させていただいたのですが、チップセットの修理で中途半端に直ったという状態(直っていない)でした。

その後、お客様が中古のマザーボードを入手されて交換を試みたところ、VGAでの外部出力は出来るが、液晶は映らないという症状になったそうです。その原因は…

きちんと組み立てられて届きましたので、分解してマザーボードを取り出します。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理 分解

入れ替えた方のマザーボードですが、液晶パネルを繋ぐケーブルのコネクタ内部のピンが一本折れているのです。これはお客様が発見(すごい観察力!)、古い方のマザーからこのコネクタを移植できないか、というご依頼です。前回の中途半端な修理で責任を感じていましたので、喜んで引き受けさせていただきました。

コネクタの内部を確認してみると、確かにピンが1本ありません。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

このLCDケーブルコネクタとすぐ横のQ6という焼けたチップを移植修理します。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

まずは壊れたコネクタを取り外します。このマザーを使用しますので、コネクタ周りをマスキングして保護しておきます。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

コネクタは上下左右が半田で固定されています。それぞれに追い半田をして、両手に半田ゴテ。一周全ての半田が溶けている状態まで持っていき、タイミングの良いところでコネクタをずらして外すという方法を取りました。黒コゲですが、気にしないでください。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

マスキングを剥がして、半田を吸い取ると綺麗な状態に蘇りました。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

次は同じように、チップセットが壊れた古い方のマザーボードから、正常なコネクタを取り外します。こちらのコネクタは移植用ですので、コネクタ自体もマスキングテープとアルミで巻いて、焦げないように保護します。

片側ずつ半田を溶かして持ち上げるという方法もあると思うのですが、そうすると端子(無数の足)が曲がったり、足並みが揃わなくなる可能性があるので、このような方法で取り外しています。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

外したコネクタをクリーニングします。無傷で取り外すことが出来ました。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

ここからが本番です。コネクタ周辺にはチップ部品が点在しているので、ダメージを与えないよう、正確にマスキングします。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理10

予備半田をしてから仮止め。フラックスを浸透させて、一気に半田付けしていきます。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

実装。残留物をブラシとエアブローで綺麗に取り除きます。そして、患部をマイクロスコープでモニターし、ブリッジや半田不足をチェックします(細かいので肉眼では見えません)。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理

仮組みで液晶表示を確認。うれしいですね。

LaVie LL370RG コネクタ載せ替え半田修理13

組み立て後の動作確認。2度目の修理で復活、感慨深いものがあります。

LaVie PC-LL370RG LCDコネクタ載せ替え修理完了

ありがとうございました。