し~ん…電源ボタンを押してもウンともスンとも言わないVAIOのAVノート、type A VGN-AS54Bです。ネットサーフィン中に突然電源が落ち、その後は電源ボタンを押しても、何の反応もなくなってしまったようです。バッテリーは死んでいます。
SONYへ問い合わせたところ、見積もり5万数千円で断念。だめもとで当社へお問合わせいただきました。完璧に通電しないノートパソコンと聞くと、思わず身構えてしまいますね。
まずはACアダプターの電圧測定、正常でした。DCジャックの半田不良でしょうか?分解します。
分解前にネジ位置をスケッチするためにPCをひっくり返します。あれれ~、底面のネジのすべてが錆びて赤く変色しています。水没?
ネジ山を舐めないように慎重に外していきます。ディスプレイを開けてキーボードをめくると、ここにも何かをこぼしたような後が。さらに液晶とパームレストを外します。
ファンのあたりにもシミのようなもの。
とりあえずシミは置いといて、マザー側でDCジャック以降の電圧を測ってみます。19Vありますね。正常です。CMOS電池も計測、正常でした。
見える範囲でマザーボードを点検。ところどころに、液体をこぼした跡、腐食したような、カビのようなもの、サビ。うーむ、マザーの裏面も見たいので取り外しに掛かります。
ここからが大変でした。マザーボードがそう簡単には外れてくれません。「何かを取るためには、その前に何かを取る」という、非常にイライラする多重構造。「ハードディスクを外すには、メモステの基板を外す」、「ファンを外すには、CPUのリテンション金具を外す」、という具合のものが数種類。
また、ネジが小さくて細い。ほとんどが精密ドライバでないと外せません。SONYのこだわりなんでしょうが、メンテナンス性がとことん悪いです。ハードディスクの交換ひとつとっても、えらく大変です。なぜ底面に蓋を付けない?嫌がらせとしか思えません。
愚痴はこのくらいにして、やっとのことでマザーボードを取り出すことが出来ました。
ピンボケですが、カビやサビがあちこちに。
腐食と思われた部分はクリーニングをすると綺麗になり、チップやICの金属部分の腐食はありませんでした。
テスターを使って片っ端から導通検査をしていきます。おっとその前に、バックアップ電池を外してCMOSクリアもしておきましょう(←これ重要)。
結局怪しい部分は発見できず。これは長丁場になると確信。でも、とりあえず、クリーニングもしたし仮組みしてみますか、と思い立ちました。
すると……点いた!思わず「直った!」と声が出てしまいました。
清掃で直ったとは思えないので、おそらくCMOSクリアで復活したのではないかと思います。←だったらキーボード外した時点で直せてたじゃん!ネジ2本外すだけで!
赤茶に錆びたネジ、液体の痕跡、このあたりの先入観で解体に走ってしまいました。ですが、完全にクリーニングが出来ましたので良しとしましょう。
錆びたネジは金属ブラシにこすり付けて清掃。爪の間に毛先が入り血だらけになりました。
本組み後は一晩負荷をかけて動作確認。これにて修理完了となりました。ちなみに水没について伺ったところ、貰い物のため不明とのことでした。
眩しい!