VAIO VGN-TT33FB、2009年10月発売、まだ実働3年を経過していないモバイルノート。外観ボロボロ、凄まじい使用感を放っています。
不具合は映像の乱れ、VAIOロゴ、BIOSも正常表示が出来ず使いものになりません。
極薄液晶パネル、角は破損していてパネル本体が露出しています。その他、筐体の角という角は全て破損、内臓が見える部分もあります。さらに1箇所USB認識が不安定、ゴム足全て無し、という状態。液晶パネルが割れていないのが、ある意味凄いです。
このPCは私がウェブサイトの作成・更新管理をさせていただいているお客様のもの。講演活動などで全国を飛び回っている方です。キーボードやパームレストのテカリが、ガンガン使われてきた事を物語っています。
ここまで使い込まれればVAIOも幸せでしょう。チップセットかCPUの半田不良なら再発は必然、ここは素直にデータを救出して、新しいパソコンの購入をおすすめ、同意して頂きました。
ハードディスクを抜き出して、外付け化する予定で分解を開始。
しかし、HDDは1.8インチでした。そのような外付けケースは持っていません。
うむむ。修理にトライしてみるか。メモリーに不具合無し、液晶パネルの故障(HDMI出力は切り替えが必要なのか信号がありません)なら分解は無駄になりますが、ダメ元ですからドンドン進めていきましょう。
USBポートのサブ基板を見ると、不具合のあるポートの端子に半田割れ。常にネット接続の機器を挿しているそうなので、これも外部からの衝撃でしょう。さっと直しておきます。
しっかし、ここからが大変。小さくて薄いボディに余すトコなく具が詰まっています。ケーブルやコネクタだらけで、もうぐちゃぐちゃ…何が何だか、わからなくなりそう。
ふぅ、やっとのことでメイン基板を取り出しました。周りは残骸だらけです。
小さなヒートシンク(て言うか、ただのパイプ)の下にCPUとチップセットがあります。
このふたつです。ビデオの方をリフロー加熱します。
仮組みで…きましたね。
HDDを取り付けて組み上げます。よく見ると本体の半分をDVDドライブが占めていますね。
映像の乱れなく、正常に起動しました。
今回はあくまでもデータ救出用の延命修理です。修復したチップの冷却は期待できないことから、すぐに再発する可能性が高いです。早急に重要なお仕事データを抜き取っていただくようお願いしました。
その後のお話…お客様が全てのデータを、新規購入したlenovoのx121eに移し終え、このVAIOは再度、私の手元にやって参りました。これが今回の報酬なのです。
パソコンとしての役目を終えたVAIOは部品取りとして役に立ってくれることでしょう。おつかれさま。