LaVie PC-LL800KG。起動時にビープ音が鳴り、キーボード不良を疑い、怪しいキーを調べていたところ、いくつかのキートップが取れてしまったという事で、キーボード交換のご依頼です。
以前、同一機種のキーボード交換をしていますので、10分で終了かと思いきや…結果、不具合の改善には至りませんでした。
キーボードを交換して電源を入れたところ、OSのセットアップ画面?が一瞬表示された後、画面は暗くなり、激しいビープ音。ピーピーピーピーピーピー、何かのキーを押すまで鳴り続けます。
とりあえず「Enter」キーを押すと、ブートマネージャが起ち上がり、Vistaを選択するとOSが正常起動します。テキスト入力で全てのキーを叩きましたが、キー動作は正常です。
キーボード交換前と同じ症状ですので、キーボードユニットの不良ではないことがわかります。そうすると何かのハードウェアがエラーを起こしているかと思い、デバイスマネージャー、メモリーやハードディスク、工学ドライブなどを検査するも異常は見られません。
次にソフトウェア的な不具合を疑ってみます。まずは当方のハードディスクでクローンを作成します。万全を期すため、こちらのハードディスクに換装してからの作業となります。
まずはブートレコードを書き換えてみました。解消せず。次にOSのリカバリを行いました。解消せず。ソフトウェア的な不具合ではないようです。
しかし、1点気になることが…。Windowsのセットアップ中、国名を選択するプルダウンメニューがありますね。この画面が開いた瞬間、プルダウンメニューがすごいスピードで開閉しています。↓キーと↑キーをめちゃくちゃに連打したような状態です。またセットアップ後、適当なフォルダを開いてみると、フォルダのアドレスのプルダウンが同様に勝手に開閉します。
どうやら、キーボードユニットの先、マザーボード側で、何かのキーを連打するという電気的な誤作動を起こしていると推測できます。さて、どうするか。
マザーボードの交換、メーカーで5万円前後、当社では新品の入手が出来ないため、中古パーツでの修理となります。それでも2~3万円とかなり高額になります。それでは、マザーボードの不良箇所を修理したらどうなるか?
まずはマザーボードを取り外さなければなりません。この時点でかなりの労力が必要になり、料金も発生します。パーツが焦げていたり、錆びていたりと、目視で故障が確認できたとしても、交換するパーツを入手しなければなりません。故障箇所がわからなければ、疑わしいパーツを取り外して検証しなければなりませんし、同様に交換するパーツが100%入手できるとは限りません。
手間ひまを考えると”激安”とはいかず、直るという保証もありませんが、料金は発生してしまいます。
今回は不具合はあるものの、使う分には我慢できるレベルであるということで、ハードディスクを元に戻し、修理完了をご承諾いただきました。ご依頼であれば、直るまでやりますが、パソコンの買い替えを視野に入れていただく方が得策です、とご案内しました。お役に立てず申し訳ありません。
DIYな方は、画像のネジ位置を参考にパームレストから外してください。ツメがないので、分解が簡単な部類の機種です。
◆追記◆
ご丁寧にお礼のメールをいただきました。なんと、修理後3日ほど経った頃、起動時のビープ音と不具合が自然解消したとのこと。深入り修理せず正解だったかな?とりあえずですが、直って良かったです。