Qosmio F30/795LS 画面に縦縞・起動しない GPUが死んだ

F30/795LS

TOSHIBA Dynabook Qosmio F30/795LS、画像が乱れて起動しない症状。

瀕死状態からの生還、修理完了まで3週間かかって喜びの復活を遂げた事例です。

電源を入れると画面に意味不明の文字列や青い縦縞が出現。ブルースクリーン表示で固まり起動に失敗。他業者にてGPUの修理歴あり。恐らく再発かと。再発後は1年程放置。地デジ付きなので出来れば延命したい。

過去にGPUの修理・再発歴があるということ、地デジ視聴で今後もグラフィックに負荷が掛かることを踏まえ、GPUの再実装修理のご依頼です。

お問い合わせ時の症状そのまま再現が出来ました。分解していきます。

F30/795LS

おや?コネクタが1箇所挿さっていません。この業者さんが加熱修理した基板はいままで何枚も扱っています。たまたまでしょうが、毎回何かを発見してしまう(笑)そして、この後、驚愕の事実が…

F30/795LS

分割して、

F30/795LS

マザーボードを取り出します。

F30/795LS

GPU側のヒートシンクを外すと…山盛りのグリスの中に何かがあります。どうやら薄い銅板が挟んであるようです。恐らくヒートシンクのがたつき防止の為に挟んだのでしょう(元々ガタガタします)。ちなみに、私はアルミテープでヒートシンクを外から固定します。

清掃してこの銅板を剥がしてみると、こ、これは!?

F30/795LS

あわわ。。片面の保護フィルムが張り付いたままです。

F30/795LS

これでは熱伝導の最大の妨げ、逆効果になってしまいます。実際、再発までは3ヶ月、たまに使用した程度だということで、使用頻度が高ければ、あっという間に再発したことになります。

F30/795LS

幸い診断加熱で表示は復帰、GPUは生きていました。この時までは…

F30/795LS

GPUリボール・再実装の手配をします。

F30/795LS

数日後。

回収した基板。ひじょうに残念な結果、電源が一瞬入って落ちるという最悪の状態になってしまいました。死にました。チップを剥がす、リボール、再実装、という3度の高温加熱にチップが耐えられなかったのだと思います。修理歴もあり、これは何度やってもだめでしょう。

F30/795LS

GPUの載せ替え復活に賭けることにしました。

F30/795LS

数日後。

これでダメならあきらめ基板、修理不能と心に決めています。あえて仮組みでの動作確認はせず、完璧に組み上げてから電源を入れることにします。

F30/795LS

「ポンポンっ」と手を合わせて一礼、祈る気持ちで電源ボタンを押す!

F30/795LS

キター!動いたー!!Qosmioのロゴが表示されるまでのわずか3秒がとても長く感じられました。

F30/795LS

深刻なエラーから回復。よかったなぁ。

F30/795LS

長期間お待たせしてしまいましたが、お客様も歓喜していらっしゃいました。手土産までいただいてしまい恐縮です。ありがとうございました。

F30/795LS

このように、当方での仮加熱で復活しても、本格的な修理をすることで死を迎えるパターン、その後、運良く生還するパターン、とてもリスクの高い修理になります。

★2016年3月を以て、グラフィックチップの修理は、受付を終了しました。データ救出は対応可能です。