DELLのCore i7搭載ノートパソコン、studio 1557です。
別の業者さんでの修理歴もあり、かなり苦労されているパソコンのようです。症状と経緯は…
- 電源を入れると、ディスプレイが点かず、電源ボタンも点灯しない。
- 3~4日ほど放置すると電源がつくようになることもある
- ちょうど一年前にもまったく同じ症状に見舞われ、修理会社に修理依頼をした
- マザーボードを交換しても症状がしばしば見られたため、長期間戻ってこなかった
- 電圧が不安定なのかもしれないと言われ、電力会社に依頼して調べるが問題なし
当方到着時は、電源は入るが画面には何も映らない、バックライトも点灯していない、という状態。
グラフィックはATI Mobility Radeon HD 4570、チップの不良を疑い分解開始。
破損箇所発見。キーボード左にあるスピーカーコネクタ。メリメリと割れています。恐らくケーブルに気付かず、トップカバーをめくり上げてしまい、割ってしまったのでしょう。
分解・組み立てはひじょうにやりやすい機種だと思います。
マザーボードを取り出しました。
先ほどのスピーカーコネクタをサイドから見ると…端子が折れ曲がっています。壊した後、ムリにコネクタを突っ込んだようです。修復しておきます。
いつものように、GPUを診断加熱。しかし画面表示は復帰しません。本来、チップを固定するために付けられている四隅のコーナーボンドが、半田の密着を妨げている可能性があるため、特殊な薬品で剥離します。
にゅるにゅるっとボンドが剥がれます。
この後、ホットエアーで本格加熱。しかし…それでも復帰しません(泣)
見当違いな事をしているのだろうか…。当方の加熱で復帰しなかった基板は「リボール・再実装しても動かない確率100%」という実績があります。
しかし原因はここしか考えられません。目の前にあるチップ、どうせ起動は出来ない…何度も自分で再実装してしまおうか、葛藤がありました。その誘惑にじっと耐え、信頼ある実装会社での再実装に踏み切った結果は…
起動した!!!いや、ひざをポンと叩きましたよ。うれしいです。
ハードディスクに劣化が見られましたが、GPUのストレステストは問題なし。診断での復帰を確認できず、再実装で起動が確認できた1例目になりました。
ところがこの後、恐ろしいめにあうことに…
BIOSのアップデート。A8→A9へ。BIOSのバージョンアップを見届け、リスタートのカウントダウンまでしっかり見ました。そして自動的に再起動。
この後、画面は真っ暗なまま、いつまで待っても表示がありません。ファンはあり得ないくらい全開で回っています。BIOSのバージョンアップに失敗したか!?せっかく直ったパソコン、オシャカにしてしまったか?!冷や汗をタラタラ流しながら見守ります。そして待つこと十数分、突然ブルースクリーンが表示されました(ハードウェアエラーのようでした)。
この後は強制終了も出来ず、ACとバッテリーを抜き電源を落としました。そして再度起動…ほっ、無事に起動しました。画面は真っ暗ですが、頭は真っ白という状態。ほんとにドキドキしました。
ハードディスクが交換を要するほど劣化していたためかもしれません(交換のご依頼は無し)。
★2016年3月を以て、グラフィックチップの修理は、受付を終了しました。データ救出は対応可能です。