TOSHIBAの薄いノートPC、Dynabook SS LX/190DKです。
修理断念の3話目です。お客様からお聞きした現在の状態は…
電源を入れると画面が真っ暗の状態からだんだん白くなり、ドット抜けが増えるように色が変わる。
前記事同様、当方へ到着後の起動では状況がかわっていました。
ごらんのような縦縞模様。
マザーボードを取り出します。縦一線に並んだBGA。GPU・チップセット・CPUの全てがオンボードです。
nVIDIAのGPUの上に載っかているメモリー上にアンダーフィル(IC固定用のボンド)がくっ付いています。製造時のミスでしょうね。これが突起となり、ヒートシンクの密着を妨げたと思われます。
GPUを仮リフローして、正常起動を確認しましたので、基板をリボール手配。
それにしても、分解の面倒臭さは並みではありません。サブ基板やら、こまかな外れるパーツが大量。この機種の解体は割増料金にしたいと本気で思ったほど(汗
返ってきた基板。GPU上のUFも取り除いてくれました。
仮組み一発目の電源投入。ストップエラーが出ました。HDDは別の機種でリカバリしたと伺っていたので、当然起動は出来ないか、と考え、当方のHDDを使いテストがてらリカバリを実施することに。
正常にリカバリが終了し、GPUに強力なストレスを与え、テストを続けます。
もう大丈夫、と思い最終段階、何度か再起動のテスト。ここで起きてしまいました…
突如のブルースクリーン。当方のHDD使用です。ストップエラーのコードは、仮組み一発目のそれと同一のもの。今度はこのエラーが頻発し起動がままなりません。エラーの原因はHDDではなく、再実装したGPUだったのです。
この後、再度の解体、GPUの再々実装へ。回収した基板でも、ブルースクリーン、映像が乱れるなどの不具合を発症し、GPU内部の破損の可能性が高いと判断しました。
大変残念な結果ですが、金銭のやりとり前、発送前に症状が出たことは幸いでした。今回の修理はここまでで完結。GPUを輸入して再実装すれば動き出す可能性はあります。しかし、本体の中古相場価格を超えてしまいそうです。
今回はそれほどまでの悪化ではありませんでした。しかし、悪いなりにも映像表示が有る場合、施工後に完全に何も映らなくなる事があります。このパターンは、私にとっても、お客様にとってもダメージが大きいです。
★2016年3月を以て、グラフィックチップの修理は、受付を終了しました。データ救出は対応可能です。