ドスパラのハイスペックノート、Prime Note Gslleria MVです。
修理断念2話目です。お客様による不具合の症状は…
動画再生、ポリゴン表示などGPUに負荷がかかるような動作の時には必ずと言っていいレベルでフリーズします。また、JAVAを用いたアプリケーションも同様にフリーズします。
よくあることですが、当方へ到着時、Windowsの起動さえままなりませんでした。輸送中の悪化です。
XPのロゴが出て、画面全体が霧が掛かったように白くなっていきます。
早速グラフィックチップを探してみましょう。
裏蓋を開けるとチップ類が見えました。目的のGPUは…うっ、筐体の下に隠れています。
この機種、分解がものすごく大変。コネクタやケーブルも多いです。
あれこれ悩みながら…
なんとか基板の露出まできました。
やっとの思いで取り出したマザーボード。
なんだよ、GPUはサブ基板(カード)じゃないですか。
せっかく取り外し可能なGPUカードなのに、完璧に分解してからでないと、外せないのはメンテナンス性が悪いですね。ブツブツ言いながらハイスペックなGPUを仮リフローします。
またまた苦労して仮組み。しかし…悪化です。画面の状況が変わっています。
うむむ、再度分解して本気でリフローしてみよう。
今度は来たかに思えました。ですが、しばらくすると画面が消えていきます。
うーん。どうするか。当方の加熱処理で復帰しなかったものは、リボール・再実装しても、実に100%が復帰しないという実績があります。今までダメ元でお願いしたことが何度かありますが、全てがダメだったのです。
今回もそれにあたります。しかし、いいところまでは来ている。お願いしてみようか。
ということで、GPUの再実装を行いました。
結果は成功。3DベンチマークやDVD再生でも不具合は出てきません。
当方で仮復帰させられなかった基板では、初の成功例となりました。。。と喜んでいたのもつかの間…
お客様へ返却後、メールが入りました。
修理から戻ってきたGalleriaですが、早速テストで動画再生してみたところ再生中に以前と全く同じようにフリーズしてしまいます。3Dベンチも試したのですがやはり同様にフリーズします。起動は安定しましたし、JAVAアプリケーションでのフリーズも無くなりました。しかし依然として上記2件の改善が見られていません。
Windowsの起動とJAVAアプリについては問題がないようですが、当方テスト時に正常だったものが、不具合を起こしていると。送り返してもらおうか…よくよく考えた末、修理断念、返金というかたちを取りました。
ストレステスト時の異常な発熱(再発の危険性)、分解の難雑さ、IC自体が逝きかけている可能性、諸々を考えると、チップの載せ替え以外(これもリスクが高い)、これ以上は良い方向に向かわないだろうという判断です。
お客様へは、GPUがどのくらいもったのか知りたいので、完全にご臨終となった場合は教えて下さい、と申し出て終結としました。
★2016年3月を以て、グラフィックチップの修理は、受付を終了しました。データ救出は対応可能です。