LaVIe LL750/M、上の写真では画面表示がありますが、起動するとすぐに画面が真っ暗になってしまいます(よーく見ると薄暗く映っている)。
通常、考えられる原因は、バックライト切れ、及びケーブル断線、インバーター不良、マザーボード不良、液晶不良、になります。前兆の様子は…
最近画面がチカチカ揺れていて、少し衝撃を与えると直っていたので大丈夫だろう、と放置して使っていたのですが、先ほど画面が真っ暗になり、何もうつらなくなりました。ただ、電源を入れると、いつもの起動音がきこえまして、暗い状態でPWを入れると立ち上がった音がします。画面だけが真っ暗です。
VGA出力は問題なし、ドツキを入れると映る…バックライトとインバーターを繋ぐケーブルが断線しかかっていると想像できます。
当方で今までやっていない(記事にしていない)修理があります。それは…バックライト交換。手間が掛かる、リスクが高い、専門で安くやっているところはいくらでもある、というのが理由です。あと、ヘタくそってものあります(笑)この手の故障は全て液晶パネル交換で対応しています。
上半身を分解して液晶の型番を確認します。この機種はパネルが水平まで開くので作業がやりやすい。
確認した型番をネット検索…どこも終売で国内での新品入手は困難です。海外からの輸入という手もありますが、時間が掛かる上に安くは無く、品違いというミスも多くあるので却下。
実は私、何度か修理している系統機種のPC-LL750RG、このデザインに惹かれてしまい、少し前に観賞用…いや研究用として買ってしまったのです。使用時間が少なく、液晶の発色も良好。最悪はこの750RGのパネル移植で対応しようと考えていました。自分のは出モノがあった時に直せばいいや、くらいのつもりで。
そして、750RGを分解。パネルを外すと…型番が全く違う!同じものが付いていると決め付けていました。しかしながら幸い互換品のようです。
750MGに仮装着。映りました。
起動後も安定動作しています。完全に組み上げてストレステスト。ここであることに気が付きました。横で別のテスト中のFMVを見て…色合いが全然違う。
元750RGの液晶、白や水色が黄色っぽいぞ。元に付いていた時は気付きませんでした。綺麗だと思っていたのにバックライトが劣化していたのか…これでは納品できません。
あまり得意ではありませんが、やるしかないか。750MGの液晶をバラします。
予想通り、バックライトとケーブルの接点が接触不良、抵抗熱がケースまで溶かし、ケーブルが癒着しています。
もう炭ですね。
バックライトのケースを取り外しました。
冷陰極管は2本(2灯式)です。
管の端っこは、黒ずみも無く綺麗でした。清掃すれば再利用出来そうです。下の写真で黒く見えるのはケーブルの影です。
ちょっとした力で折れてしまうので、慎重に半田付けします(このあたりは写真を撮っている余裕がありません)。
第一段階が終了しました。ここからこのケースをパネルユニットに戻す作業。これが一番きらいっ。
ホコリやゴミを吹き飛ばしながらの作業。何とか元通りになりました。←画像が無いですが、撮影している余裕が全くないんです。
とりあえず、液晶部分が空になっている750RGで動作確認。おぉー、やっぱり白が綺麗。
青。
白。発色にムラは無く修理は成功したようです。
こちらは組み上げてしまった750MG。比べてみると、なんだかどんより黄色いでしょ?
改めて、修理品を750MGに戻し、汚れていたファンやキーボードを清掃しました。
ご予算の4分の3の料金で修理完了。お客様に結果をお伝えしたところ、大変喜んで下さり「予算分、全て請求してください」との信じられないお言葉。とは言っても、結構な金額です。そのような事は出来ません。
しかし折角のご好意ですので、メモリーを1GB×2から2GB×2の4GBに増量することを提案しました。
全ての作業とストレステストが終了しご返却となりました。
通常、バックライトの交換修理は行っておりません。ご了承ください。