HP dv9500(dv9000)の画面が真っ暗、起動しないという定番の故障です。
今回は、再発を避けるため、nVIDIAのグラフィックチップ(BGA/GPU)を一旦剥がして、再装着するという修理になります。
まずは、GPUに問題があるということを確定させなければなりません。分解です。
この機種のDCジャック部分、金属製のパーツで破損対策されています。スバラシイ。
マザーボードを取り出して…
BGAパッケージ類を露出させます。一番左がnVIDIAのGeForce、GPUです。
こいつを赤外線で軽くリフローします。GPU・基板にストレスを与えないよう、あくまでもかる~くです。フラックスも使いません。
作業後の仮組みでHPのロゴが出現しました。グラフィックチップの半田不良で確定です。
この時点で一時的に直っていますが、今回は、再発を防ぐためのお見積もり「リボール・再実装修理」のご依頼。不良BGAが特定できたため、この基板はBGAの実装工場へと旅立つと事となります。
BGAを剥がしてリボール(チップの再利用)、リフロー実装、X線検査を終えて返ってきた基板で組み上げます。
当然ですが、問題なく動作しました。今まで何度かお願いしていますが毎回完璧です。
このリボールと再実装、私自身も行いますが、成功率半々です。替えの基板が手持ちである時や、失敗してもいいからやってみて、と言われた際は手作業で施工します。ちなみに私が行う場合の失敗するパターンで最も多いのが、基板側のランド(パッド)の破損です。手作業での温度管理不足が原因ですね。
★2016年3月を以て、グラフィックチップの修理は、受付を終了しました。データ救出は対応可能です。