dynabook VZ82/JL USB Type-C 破損で充電出来ない マザーボード修理 オマケでHP Spectre X360とThinkpad E595

Dynabook社のVZ82/JL、2019年製。東芝からdynabookが切り離されたあとのモデルです(現SHARP子会社)。

ご依頼はUSB Type-Cプラグが差さらなく、充電出来ない。到着後、ポート内部を確認すると、本来中央の板に貼り付いている金属が捲れ上がってしまっています。金属は板バネ状態で、チカラ技で元に戻すことは出来ません。何らかの衝撃で剥がれたと思われます。普通に抜き差ししてこうなるとは思えない。

プラグをそっと差してみると、奥まで入らず、勝手に押し出されて抜けてしまいます。

ボトムカバーを外した面からは、Type-Cポートの24PIN接続(内寄り12PIN)が、スルーホールなのか、表面実装なのか判別が付きません。マザーボードを外します。

ガーン…交換難易度の高い、表面実装タイプでした。

適合するポート部品も在庫にあるかわからないですが、いずれにしてもこのままでは使えないので、ポートを外しましょう。

基板清掃後。元のパーツと同じものは無し(ネット検索でも発見できず)。画像のType-Cポートは、これならいけるかも、という可能性のある第一候補の在庫品です。

しかし問題が。内側12ピンのパッド(半田付けする部分)3箇所が剥がれてしまっています。外す際はこのような破損が起きないよう、パーツが泳ぐ状態(全ての半田が全て融けている状態)で取り外しています。元々弱っていたのか、剥がれていたのかは証明のしようもありませんが…外から見えない部分なので。まぁ、なんとかなります。

肝心のジャックの方は…基板に差さりませんでした。端子が届かない(泣

ここまで来たら最後まで頑張りましょう。左右の届かない端子を斜めに曲げて、さらに基板に当たってしまう部分をリューターで削りました。何度も微調整。

仮止めで位置確認。ピッタリ、ここは解決。ただし2列の12ピン同士の間隔が微妙に異なるので、まだまだ直るかわかりません。

さて、剥がれたランドの再生です。一般的なコネクタ用の再生パッドを置いてみましたが、横幅が広く、実装後に半田が左右とブリッジしてしまいそう。

線タイプのパッドを接続部分のパターンに半田付けしました。ちなみに顕微鏡画像なので大きく見えますが、横並びの12ピンの端から端までの長さ、わずか”6mm程度”という小ささです。※満足する出来まで3度ほどやり直しました

半田を乗っけて、半田付け部(丸い穴の所)と、剥がれ防止のため、反対側の基板の側面をレジンで固めます。絶縁の意味もあります。青い矢印の部分が盛り上がってますよね。コレ、レジンです。

半田ゴテでは実装できません、リフロー(フロー)実装になります。内側12ピンは目視できないので、付いたかどうかの判断が非常に難しいです。あまり加熱しすぎると、ポートの樹脂が溶けてしまうので、激ムズレベル。

充電ランプ点灯しました。

個人的には、Type-Cでの充電ポートなんて、強度が弱いのでやめて欲しいです。

Type-Cポートはドックを使って様々な通信が出来ます。それらも全て動作確認しなくてはなりません。

修理後はデリケートにプラグを扱わないと、また起こりますよ、と脅かし気味にお伝えしています。いや、マジでそうなるんで。

★このDynabookのType-C交換修理ですが、正式な部品が流出するまで「受けない」と思います。12ピン同士の間隔に差異があるので強度が心配(横位置は合っているが、縦位置はズレていると推測)、保証を付けるのが怖いです。


オマケ1

HP Spectre X360、USB Type-Cの破損。

お電話での依頼で、詳しいことはあまり聞いていなかったんですが、2箇所あるんですね、Type-Cポート。そして、到着したパソコンにメモで「矢印↓の方のみ修理」とありました。

裏側。面実装24PINタイプでした。交換依頼の方はガッタガタ。

取り外し…これはダメ!パッドほとんど剥離してます。

んで、もう片方。勝手にこちらは正常と思い込んでしまっていたのですが、プラグが奥まで入らない。顕微鏡で内部を確認すると、奥の方に何やら黒い物質がへばり付いています。慎重に除去。プラグのカケラ?

なんだ、動くじゃん(苦笑)

ちゃんと情報聞き出していれば、ポートの取り外し、いや、分解すらやる必要無かったです。とほほでした。


オマケ2

Lenovo Thinkpad E595、USB Type-C動作せず、水掛かり。別記事にしようと思ったのですが、比較として丁度良いのでこちらに。

こっちは内側がスルーホールになっているタイプのジャック。内側の12ピンが、直立した端子になっています。

しばらく前に飲み物を引っ掛けてしまったようです。接続部分が腐ってます。

スルーホールタイプはだいぶ楽だな(あくまでも面実装と比べて)。半田ゴテのみで交換できます。

裏面見れば、どちらのタイプかわかります。

HDMIポートも腐っていたので、同時に交換。

お電話のみで、メールの記録が無いのではっきりしないのだけど、もしかしたら、機種名E590だったかも?

Type-Cのポート部材、似ているようでも膨大な種類があります。○○用、となっていても、あてにならないことも。外してみないとわからない、という事例が多いので、正直あまりやりたくない部類の修理です(^^;