東芝時代のdynabook B25/21MBです。症状は全く電源が入らない。バッテリーも死んでいるのか、何のランプも点きません。
購入後、わずかな使用時間で故障(後で調べたら300時間)、そのまま放置してあったということです。
過去に記事にした、
■ dynabook B25/66NB 電源が入らない、意外な故障原因とは
と同様の内部構造、そして原因は違えど、結果的に同じ電源スイッチ基板のトラブルでした。
メイン電圧、電源スイッチの電圧も問題なく出ています。そして、スイッチ基板のコネクタをショートさせると電源が入りました。サブ基板側に故障があると特定。
メイン基板がショートしているのであれば別ですが、電源が入らないからといって、闇雲にマザーボードを外して検査などしていると、時間の無駄になります。
HDDや液晶パネルの基板がショートしていて電源が入らない、なんて事例もあるので、サブ基板含め、デバイスやコネクタ類を外す度に電源投入を試していくのが診断の基本です(趣味で修理されている方向けへのアドバイス)。
さて、能書きはこのくらいにして、サブ基板を見ていきます。過去記事のようなフラットケーブルの剥離ではありません。
ボタン内部の摩耗??違いました。ボタンを押せば、+-端子が100%導通します(ボタンを押しました、という反応が出る)。
しかし、GND側の信号がケーブルまで届いていません。
基板上には抵抗とダイオード、LED程度のパーツしか付いておらず、ソレらも私が調べた限りは正常に思えます。どこで断線してる?
途切れている部分をすっ飛ばして、ワイヤーでジャンプさせちゃいましょう。
スイッチ側端子と、
裏面ダイオードをジャンパ配線します。
フラットケーブルの付け根に導通が蘇ったので装着。
電源が入りました。
何かしらの後遺症が出るかも、と思いましたが、電源投入・LED点灯・スリープ・強制シャットダウン、いずれも挙動に問題なし。良かった。
1時間程度で修理は完了、即納。
ただ、バッテリーは死んでいました(長期間の過放電で眠ったかも)。
この系統機種、内部にCMOSバッテリーが無く(コイン電池など)、バッテリーが死ぬと、BIOSの情報を維持できないという最悪のコストダウン機です。マザーボード上には、コイン電池を装着するソケットを実装する回路はあるのですがブランク(省かれている)。※ちなみにここに単純にソケットを半田付けしても機能しません
ACアダプターを抜いてしまうと、毎回BIOSの日付設定からスタートするというウザさですが、据え置きで使用するということでこのまま返却。バッテリーは高いし、殻割りされた再生品など掴んでしまうと危険です。怪しげな通販バッテリーにはご注意を。