dynabook B25/66NB 電源が入らない、意外な故障原因とは

B25/66N 電源が入らない

東芝 dynabook B25/66NB、画面が映らない?電源が入らない?というような、不安定状態申告でのお預かり。

その原因は思ってもみない、意外な理由からでした。こんなことあるんだ、と。

当方で確認した際は、電源は全く入りませんでした。そして、ヒンジがガタついて、パネルの開閉がまともに出来ません。ネジも空転して抜けず。

B25/66NB 電源が入らない

ヒンジが完全に崩壊しているようです。

B25/66NB ヒンジ崩壊

中からポロリ。そして、蝶つがいをめくり上げると…原因判明。

B25/66NB ヒンジ崩壊

ヒンジのナット2箇所、ファンを固定するプラスチックが崩壊、スイッチケーブルは剥離。ボロボロ。

言葉ではうまく説明出来ないんですが、ヒンジの蝶つがいが開けない状態で、無理矢理パネルを開けたため、電源スイッチのケーブルを無理に引っぱり上げることになり、半田付けされたフラットケーブルが基板からもげてしまったようです。

B25/66NB ヒンジ崩壊

ありゃりゃ、基板のパターン毎、持っていかれてます。

B25/66NB 基板修理

顕微鏡で確認してみます。ランド(半田付けする端子部分)は完全に引き剥がされていますね。その先のパターンは明確なので、ブリッジさせましょう。

B25/66NB スイッチ基板修理

接続予定の部分を削り、半田付けする部分を作ります。

B25/66NB スイッチ基板修理

極細ワイヤーでしかるべきラインに半田付け。顕微鏡が無いとちょっと難しいかも。

B25/66NB スイッチ基板修理

半田付けした部分はレジンで絶縁・補強(無色透明なのでわかりづらいけど)、フラットケーブルはホットメルトでガッツリ固定しました。

B25/66NB スイッチ基板修理

装着してみます。

これ、同じ事が起きるとまたケーブルが引っ張られるな。ということで…

B25/66NB スイッチ基板修理

ケーブルは冷却ファンの下を通すことに(始めからこうしとけよ!)。

B25/66NB スイッチ基板修理

電源入りました。

B25/66NB 電源が入らない

さて、ヒンジ部分を再生しなければ、実用出来ません。

B25/66NB ヒンジ修理

固定用ナット部分はエポキシパテで再生。どこのメーカーもそうだけど、こういう大きく負荷の掛かる部分は金属板などでしっかり固定して欲しいです。経年でヒビ割れて、ナットが抜けるんで。

B25/66NB ヒンジ修理

ファンの固定部分も修復。

B25/66NB ファン修理

OK、強度バッチリです。

B25/66NB ヒンジ修理

ハードディスクは認識困難なほど劣化していました。当初、画面が映らないと聞いていたのは、これが原因っぽいですね。SSDに換装。あと、DVDドライブも壊れてました。

B25/66NB SSD換装

リカバリディスクが手元にあるということで、SSDは空の状態で返却します。

B25/66NB マザーボード修理

ヒンジの修理は数々やってきたけれど、「ちょっとおかしい、ガタつく」くらいの状態でご依頼頂いた方が、簡単な処置で済みますよ。