東芝 dynabook B25/66NB、画面が映らない?電源が入らない?というような、不安定状態申告でのお預かり。
その原因は思ってもみない、意外な理由からでした。こんなことあるんだ、と。
当方で確認した際は、電源は全く入りませんでした。そして、ヒンジがガタついて、パネルの開閉がまともに出来ません。ネジも空転して抜けず。
ヒンジが完全に崩壊しているようです。
中からポロリ。そして、蝶つがいをめくり上げると…原因判明。
ヒンジのナット2箇所、ファンを固定するプラスチックが崩壊、スイッチケーブルは剥離。ボロボロ。
言葉ではうまく説明出来ないんですが、ヒンジの蝶つがいが開けない状態で、無理矢理パネルを開けたため、電源スイッチのケーブルを無理に引っぱり上げることになり、半田付けされたフラットケーブルが基板からもげてしまったようです。
ありゃりゃ、基板のパターン毎、持っていかれてます。
顕微鏡で確認してみます。ランド(半田付けする端子部分)は完全に引き剥がされていますね。その先のパターンは明確なので、ブリッジさせましょう。
接続予定の部分を削り、半田付けする部分を作ります。
極細ワイヤーでしかるべきラインに半田付け。顕微鏡が無いとちょっと難しいかも。
半田付けした部分はレジンで絶縁・補強(無色透明なのでわかりづらいけど)、フラットケーブルはホットメルトでガッツリ固定しました。
装着してみます。
これ、同じ事が起きるとまたケーブルが引っ張られるな。ということで…
ケーブルは冷却ファンの下を通すことに(始めからこうしとけよ!)。
電源入りました。
さて、ヒンジ部分を再生しなければ、実用出来ません。
固定用ナット部分はエポキシパテで再生。どこのメーカーもそうだけど、こういう大きく負荷の掛かる部分は金属板などでしっかり固定して欲しいです。経年でヒビ割れて、ナットが抜けるんで。
ファンの固定部分も修復。
OK、強度バッチリです。
ハードディスクは認識困難なほど劣化していました。当初、画面が映らないと聞いていたのは、これが原因っぽいですね。SSDに換装。あと、DVDドライブも壊れてました。
リカバリディスクが手元にあるということで、SSDは空の状態で返却します。
ヒンジの修理は数々やってきたけれど、「ちょっとおかしい、ガタつく」くらいの状態でご依頼頂いた方が、簡単な処置で済みますよ。