NEC LaVie PC-LL850MSB(LL850/M)、液晶不具合からの起動不良、やっかいな事例でした。
お問い合せ内容、前兆と経緯は…
- 液晶の下2/3が映らない
- 20分程度経過すると、表示しなかった箇所も正常に表示する
- その後の経過で、電源ランプは点灯するが、画面が映らなくなった
- 近所のパソコンの修理店に持ち込み確認してもらうと、恐らくマザーボードの故障であろうとの判断(外部モニターへの出力も無いため)
- 分解検査は行ったが、あくまでも目視で焼損等していないかまでで、マザーボードのどこが故障しているかの詳細確認になると、別途高額の費用がかかるとのことでキャンセルした
といった感じのようです。
う~ん、この高級機、液晶がタッチパネルです。タッチ操作対応のパネル交換は、ホコリやチリの混入リスクがあるため、当方では基本受けていません。また、IPS・フルHDパネル、高額です。ただ、構造自体を知らないので、とりあえず送って頂くことに。まずはマザーボードを動くようにしなければなりませんが。
実機到着。電源ランプを注意深く見守っていると、一定の間隔で一瞬の消灯が入ります。これ、画面が映る前に、再起動を繰り返していますね。
定番の検査をしながら徐々にバラしていきます。
ぱっと見、この面に目視異常は無さそうです。
マザーボードを取り出して電圧検査をしていきます。
ある程度故障箇所の想定は出来ました。しかし、部品を交換してみないと、怪しいというだけで、確実性はありません。時間をいただいて、パーツを取り寄せました。
基板に電圧が出ていない箇所が複数あります。交換するのは、DC電源直下のMOS-FETふたつ。2番手の出力電圧がおかしかったのですが、1番手が原因ということもあるので、両方交換します。
それぞれ違った規格ですが、部品を注文する際の送料が勿体ないので、出来るだけ送料無料の金額まで持って行くべく、使用する可能性のあるパーツは一緒に頼んでしまいます。それでも、単価が安いので、送料無料までは中々いかないです。余計なものまでついつい買ってしまう…。
交換通電後、他の部分の電圧検査をしてみると、切れているヒューズを発見。私の場合、基板を取り出した後に、一番始めに行う検査部品はヒューズ。その際は切れていなかったはず。上の部品交換をしたことで、突入電流でも来て破壊したかな?真横のMOS-FETも逝ってるぽい。
3個目の違う規格のMOS-FET、ちゃんと頼んでありました。ヒューズと共に交換。
仮組みでLEDは常時点灯、ファンも回り出しました。
起動しました。がっ!
忘れていました。パネルがダメなことを。
構造を確認すると、やはり全面のガラスを外さなければならず、コネクタの接点検査も出来ません(後ろから外せるタイプもあるようです)。パネルも高いし、少し待てば正常に表示されるので、だましだまし使ってみてはどうか、と提案しました。
液晶が完全にダメになったら、またあらためて考えましょう。
ありがとうございました。