NEC VALUESTAR PC-VW700GG 一体型の大型テレビパソコンです。半年くらい前から電源が落ちるようになり、最近では全く電源が入らなくなってしまったそうです。
大きさもさることながら、その重量30kg弱。一旦はお断りしたものの、以前、別のパソコンを修理させていただいたお客様、こちらまでお持ちになるということでお引きお受けしました。
本機は電源を入れてみるとブルーのランプが点灯するだけで、動いている様子はありません。
カバーを開けてみると…プ~ンと嫌な臭い。コンデンサーが漏ってるな、と予感させます。電源が特にくっさい。
電源ユニットを外すにはメインボード上の2枚のチューナー等の基板を外さなければなりません(マザーボードが3階建てになっているイメージです)。ケーブルとコネクタの量が半端じゃない…。
箱一杯に詰まったケーブルや基板、手が入る隙間も限られており、手の甲は傷だらけ(笑)なんとかマザーボード露出まで来ました。
後はコネクタを外して…あっ、見てしまった…マザーボードのコンデンサが4本、液漏れしていますよ。
ということでマザーボードも外すハメになりました。
その前に電源のとぐろを巻いたコネクタ類を全て外します。
電源を外しました。それでさえ、この残りのケーブルの多さ。もうぐちゃくぐちゃです。戻せるのかー
取り外した電源ユニット。コネクタ類が特殊なので、動作品の入手は困難です。マザーのコンデンサー4本だけで済むならまだ楽。ですが、この電源の臭いは絶対に逝っているはずです。
ご開帳!案の定、2次側コンデンサーが8割方膨張・液漏れを起こしています。
残ったケーブルを整理して、マザーボードの取り出しです。これがまた大変。周りのパーツ類を取り外して、マザー下のトレイを横から引き出すことで、マザーボードが自由になります。
いやー、時間がかかる。そして作業場所の床を完全占領です。
まずはマザーボードの液漏れコンデンサー。
交換です。
そして電源部のコンデンサー交換。画像は交換後の基板裏。もぅ、剣山状態(笑)この後、足をカットします。
交換したコンデンサーの規格は9種類。全てを同一メーカーで揃えられませんでした。樹脂製のものは振動防止用のボンドです。
電源側の不良コンデンサーは全てJAMICON製。一応耐熱105℃になっていましたが、寿命を迎えていたようです。
ふぅ。戻しました。取り外ししたコネクタ類は30個以上。きちんとメモするか写真を撮っておかないと後で苦労します。
無事にWindowsが起ち上がりました。というか本組み一発勝負なので、これで動かなかったらどうしよう…という感じでした。
基本的には巨大な一体型パソコンの修理はお受けしていません。また、お受けしたとしても手間を考えると激安では出来ません。
電源ユニットやマザーボードを送っていただければ、コンデンサーの交換くらいはいたしますが、この機種のそれらを外せる人は、ご自身でコンデンサーの交換が出来るのではないでしょうか。
コンデンサーの交換自体は10分程度で終わりましたが、分解・清掃にほぼ丸1日を費やしたという、今年最も手間の掛かった修理事例でした。